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『財務3表一体理解法』と『財務3表図解分析法』を読んで

『財務3表一体理解法』と『財務3表図解分析法』を読みました。11 月の読書。

増補版 財務3表一体理解法 (朝日新書)

増補版 財務3表一体理解法 (朝日新書)

財務3表図解分析法 (朝日新書)

財務3表図解分析法 (朝日新書)

友達がおすすめしていた本で、前々から財務諸表を読めるようになりたいと思っていたのでちょうどよかったので購入。

財務3表である、貸借対照表(BL)、損益計算書(PL)、キャッシュフロー計算書(CS)を解説している本(株主資本等変動計算書の解説もある)。 その名の通り、財務諸表を個別に理解しようとするのではなく、3表のつながりを意識しながら説明している。

基本的な表の読み方は『財務3表一体理解法』の方で解説されているのだけど、この本だけだと数字の意味が分かるだけで「この数字をどう使えばいいの?」という状態になる。 その疑問に対して『財務3表図解分析法』の方では、書かれた数字から企業の状況や経営姿勢を読み取る方法について説明している。 この時に、実際の企業の財務諸表を使って解説しているので、親近感が持てるので理解しやすい。

世の中には財務諸表の解説本なんてたくさん出ているし、もっと分かりやすい本はあるのかもしれないけど、この本は自分にとってまさに必要十分という感じだった。 分量もそれほど多くなくてさくっと読めるので、二冊合わせてささっと読むのがおすすめです。

財務諸表の意義

財務諸表を読めるようにはなりたいと思っていたけど、企業の出す財務諸表にどれほどの意味があるのだろうと思っている。 企業の財務諸表は多かれ少なかれ他者に見られることが意識されていて、数字は意図的に操作されているだろうから。 規則を違反するほどの数字の操作は粉飾になるわけだけど、著者も述べているようにそのレベルの操作である粉飾さえ見抜くことは不可能に近い。

ただ、予め申し上げておきたいのは、財務諸表から粉飾を見抜くのは非常に難しいということです。 特に大企業の粉飾は、財務諸表を作る前の取引の認識の操作や、社外の仕掛けを使うなどして巧妙に仕組まれています。 財務諸表だけから粉飾を見抜くのは、極めて困難であると言わざるを得ません。

ということは、企業が思う「見られたい姿」を読み取ることはできても、企業の「本当の状況」を読み取ることは不可能に近いのではないだろうか。

あと、今の財務諸表ってソフトウェア産業のような業界の実情とは合わないという印象を受けた。ソフトウェア業界で固定資産割合とか重要じゃないだろうし、、、。 筆者も似たようなことを考えていて、ドラッカーの「資本主義社会のあとに訪れる知識社会」を引用して次のように述べている。

企業の情報を知るために、いまは財務諸表を使っていますが、これは資本主義社会に適応しているツールです。 しかし、資本にさほど意味がなくなる知識社会のビジネスでは、現在の財務諸表があまり大きな意味を持たなくなるでしょう。 なぜなら、意味のあるものは人間の知恵であり、その知恵を持つ人間は、自由に会社を移動するからです。 知識社会においては、高い値段で会社を買収しても、そこに知恵のあるキーパーソンがいなくなれば、いくら資産があっても会社としての価値はなくなってしまうのです。

でも、じゃあまったく意味がないかというとそうではなくて、少なくとも企業の一側面を捉える道具としては便利なツールだと思う。 それに、中身を知っているのと知らないのでは大違いだろうから、この本を読んで少しでも理解できるようになってよかった。

この著者、ドラッカーが好きらしく随所随所で言及されていて少し興味がわいてきたけど、この前読んだドラッカーの本がイマイチだったからどうしようかな。。。

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