ひさしぶりに Coursera を受講した。
Learning How To Learn という講義。
https://www.coursera.org/learn/learning-how-to-learn
脳科学や心理学をもとにした学習のやり方を教えてくれる講義。
具体的には、
- 毎日少しづつ勉強した方が長期記憶に残りやすい
- 脳には集中モードと発散モードがあり、集中して勉強するだけではなく発散モードもうまく使うべき
- 集中するためにはポモドーロを使おう
- 学習の結果を意識をすると脳の痛みの分野が反応するので、学習のプロセスに意識を置こう
- イメージと結びつけると長期に記憶しやすくなる。部屋に配置するようなイメージで記憶しよう
など、なんとなくどこかで聞いたことあるようなテクニックがいくつか紹介されている。
特に脳の発散モード(diffuse mode)という考え方が自分にとって画期的で、最近は仕事で意識的に取り入れてる。
集中モードと発散モード
脳には集中モード(focused mode)と発散モード(diffuse mode)があり、学習においてどちらも重要な側面を担っている。 集中モードでは脳は局所的にニューロンを発火させる。 発散モードでは脳は遠くの離れたニューロン同士を発火させる。
集中モードでは特定の箇所のニューロン同士が激しく反応するため、特定の物事を深く考え理解するのに向いている。 ちょうどピンボールで釘が敷き詰められた箇所をボールが通って激しく動きまわっているようなイメージ。 一方、発散モードでは遠くのニューロン同士が緩く反応するので柔軟で新しい発想を生むのに向いている。 これはピンボールで釘が互いに離れた場所でピンボールがゆるく通過していくイメージ。
コーディングやデバッグでは基本的に脳は集中モードになっている。 しかし、一度詰まってしまうと、集中モードでいる限り新たな視点は得られないので時間の無駄になってしまう。 そこで、そうなってしまったら脳を発散モードにうつす努力をする。 具体的にはコンビニに出かけてジュースを買ったり10分ほど外を散歩したりする。
これが実際かなり効果がある。 画期的なアイディアで劇的に解決!ということはほとんどないのだが、「ああ、こっちの条件で挙動確認すればいいのか」と違う視点で問題を見ることができるようになる。そうして自席に戻って30分くらい作業しているとすすっと問題が解決していたりする。
最近はこの方法を積極的に使うことでコーディング、デバッグ、少し大きめのタスクであっても大ハマリすることなく仕事ができている。 まあ、人によっては勤務中に外に散歩したりできないかもしれないが、席を立ったりするだけでだいぶ違うと思う。
思い返せば CODE COMPLETE でも同じようなことが書いてあったし、大学時代の教授も同じことを言っていた。 確かバートランド・ラッセルも何かの著書で無意識の能力について言及していた(気がする)。 きっと、気づいている人は積極的に使っているテクニックなのだろう。
感想
というわけで、たった4週しかない講義だったけど、使った時間の割には得たものは大きかった。
本来は学部生向けの講義なのだろうけど、社会人でも十分に役立つと思う。 現代で仕事をしていくには、どんな分野であれ素早く新しいことを学習していくことが求められているだろうから。
しかし、Coursera の講義を受講するたびに『10年前の学生時代にこういう講義を受講したかったなぁ』と強く思うなぁ。